名作速読朗読文庫vol.342 徳田 秋声全集1 読上機能付

徳田 秋声は、石川県金沢市生まれの小説家である。 尾崎　紅葉門下として、泉鏡花、小栗風葉、柳川春葉とともに四天王と称され、雲のゆくへが出世作となる。

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徳田 秋声（とくだ しゅうせい、男性、1872年2月1日（明治4年12月23日） - 1943年（昭和18年）

11月18日）は、石川県金沢市生まれの小説家である。本名は末雄（すえお）。

紅葉門下として1895年（明治28年）、博文館の編集部に職を得、当時博文館に出入りしていた泉鏡花の勧めで紅葉の門下に入る。

1896年（明治29年）、被差別部落出身の父娘に取材した薮かうじを「文芸倶楽部」発表して「めざまし草」

の月評欄に取り上げられ、これが実質的処女作となる。以来、泉鏡花、小栗風葉、柳川春葉とともに紅門の四天王

と称され、1900年（明治33年）「讀賣新聞」に連載した雲のゆくへが出世作となる。

本文内容見本

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新世帯 徳田秋声

一

　新吉《しんきち》がお作《さく》を迎えたのは、新吉が二十五、お作が二十の時、今からちょうど四年前の冬であった。

　十四の時豪商の立志伝や何かで、少年の過敏な頭脳《あたま》を刺戟《しげき》され、東京へ飛び出してから十一年間、新川《しんかわ》の酒問屋で、傍目《わきめ》もふらず滅茶苦茶《めっちゃくちゃ》に働いた。表町《おもてちょう》で小さい家《いえ》を借りて、酒に醤油《しょうゆ》、薪《まき》に炭、塩などの新店を出した時も、飯　　喰《く》う隙《ひま》が惜しいくらい、クルクルと働き詰めでいた。始終　　襷《たすき》がけの足袋跣《たびはだし》のままで、店頭《みせさき》に腰かけて、モクモクと気忙《きぜわ》しそうに飯を掻《か》ッ込んでいた。

　新吉はちょっといい縹致《きりょう》である。面長《おもなが》の色白で、鼻筋の通った、口元の優しい男である。ビジネスカットとかいうのに刈り込んで、襟《えり》の深い毛糸のシャツを着て、前垂《まえだれ》がけで立ち働いている姿にすら、どことなく品があった。雪の深い水の清い山国育ちということが、皮膚の色沢《いろつや》の優《すぐ》れて美しいのでも解る。

　お作を周旋したのは、同じ酒屋仲間の和泉屋《いずみや》という男であった。

「内儀《かみ》さんを一人世話しましょう。いいのがありますぜ。」と和泉屋は、新吉の店がどうか成り立ちそうだという目論見《もくろみ》のついた時分に口を切った。

　新吉はすぐには話に乗らなかった。

代表作品

新世帯　

黴　

爛　

あらくれ　

蒼白い月　

仮装人物　

縮図　

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名作速読朗読文庫vol.342 徳田 秋声全集1 読上機能付きProfessional版

NO VOL 件数 選択 　　　　　作家名 タイトル　カテゴリー　文字数　文字量

1 342 1 日本文学 徳田 秋声 蒼白い月 小説 9964 大

2 342 2 日本文学 徳田 秋声 足迹 　　　　小説 132598 大

3 342 3 日本文学 徳田 秋声 あらくれ 小説 131618 大

4 342 4 日本文学 徳田 秋声 新世帯 　　　　小説 46476 大

5 342 5 日本文学 徳田 秋声 仮装人物 小説 361312 大

6 342 6 日本文学 徳田 秋声 黴 　　　　小説 119569 大

7 342 7 日本文学 徳田 秋声 躯 　　　　小説 7260 大

8 342 8 日本文学 徳田 秋声 縮図　　　 小説 148597 大

9 342 9 日本文学 徳田 秋声 挿話 　　　　小説 28593 大

10 342 10 日本文学 徳田 秋声 爛 　　　　小説 80199 大

冊数合計 10冊 文字数合計 1066186

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